〜災害レポート〜6月27日
コラム執筆者

認定NPO法人 わははネット 理事長
讃岐おもちゃ美術館 館長

中橋 恵美子(なかはし えみこ)

マミサミのみなさまへ


突然(夫が仕事の間で仙台へ寄る、と言いだしたこともあり) 夫婦で仙台に行ってきました。
子育てタクシーの理事をしてくれている社長が被災地を案内してくれる、ということもあり
強行軍でしたが…行ってよかったです。
少し長文になりますが報告します

わははネットスタッフと利用者のみんなで声を掛け合って手作りバザーをした先週末。

思っいた以上に売り上げもあり、被災した仲間に義援金として送ろうと言っていた時。


私も理事を務めている子育てひろば全国連絡協議会ルートで、
被災地の支援センターで、行政直営のところが子育て支援のために必要なものを買いたいのに
直営であるがために現金での義援金を受け取ることができなくて、困っている、という話を聞きました。

そこで、どうしてもそこに直接届けに行きたい!今すぐに!と思い立って行ってきたわけです。

わははスタッフや利用者のママ達が、とても素敵なメッセージカードや工作を作ってくれて
それも持っ行きました

木曜日の夜、仙台につき、仕事帰りの伊藤さんと合流。子育てタクシーのフタバタクシー及川社長とも
合流して(伊藤さんと及川社長は子育てタクシーの研修で顔みしり)夫と4人で牛タンをいただきました。

伊藤さんからも、のびすく利用者だった方で被災されたりご家族の死亡がつい2週間前の新聞に乗っていた方の
話などを聞き、もう胸が締め付けられるようで…
役所が後手後手になる中、伊藤さんも及川社長も民間としてそれぞれ出来ることを現場判断でやってきている
様子を聞き、いざという時役に立つのは公的機関よりは民間だなあーと改めて感じました

翌金曜日は、釜石市の状況を見て(津波に全部さらわれて家の土台だけになっている一帯や
家の骨格はあるのに中が悲惨な状態、そしてまだあちこちに水が引いてなくてにおいも相当ひどい…
そんな状態でした。釜石市だけで2000人越えてなくなったそうで、もう声も出ませんでした。

その後、釜石の隣市のこちらも被害が多かった東松島の矢本子育て支援センターへ
行ってきました。

そこに、先日のバザーの収益をイオンの商品券に変えて(直営のため現金が受け取れず隣が
大きなマックスバリューなので商品券だったら受け取れる…ということで…)
差し上げてきました。
スタッフの皆さんもとても喜んでいました。
センターの隣がボランティアセンターになっていてその目の前の広場には、テントがたくさん並んでいて
全国のボランティアが来てテントで寝泊まりしながら支援しているそうです。

道中いたるところに土葬している土地や、仮設住宅が並んでいました。

私がちょうど矢本支援センターに行った時に入れ違いで帰ったお母さんが
0歳と3歳のお子さんがいて、今回の震災で3歳のお子さんをなくされた方で
とても気丈にふるまわれていたので支援センターのスタッフも、泣くわけにいかず
つとめて明るく彼女をサポートしていて、そのお母さんが帰った途端泣き崩れていました。

そんな利用者さんが大勢いらっしゃるそうです

子どもの心のケアはいろんなNPOが被災後すぐに現地入りしてカウンセラーなどを送ってきているようですが
子どもを亡くした親へのケアはまったくと言っていいほど手つかずの状態だそうで
なんとかならないものかと言っていました。
まさに伊藤さんが案じている通りですね。

絵本なども、そうしたお母さんが傷つかないよう、とても気を使われているそうです。


支援センターもまダ落ち着いていないように見えましたが
でもスタッフの方も必死で明るく頑張ろうとしている様子がうかがえてかえって切なくなって
帰りの道中涙がとまりませんでした

支援センター(ほっとふる)が出している通信もそうしたお母さんに届けるメッセージがちりばめられていました。

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出来事の責任を自分のせいに感じたり、落ち着かず物事が手につかなかったりすることはないですか?

つらいことや悲しいことがおきたのはあなたのせいではありません。
自分を責めないで下さい
きっと この大きな悲しみの中で、誰もがいつもとは違う自分になっているのだと思います

ひとりで苦しまないで下さい
がんばらなくていいんです
あなたがいてくれてよかったと思っている誰かがいるはずです
あなたを支えてあげたいと思っている誰かがいるはずです

ほっとふるもあなたの「ほっとできる場所」でありたいと願っていることを忘れないで下さい

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自分の心にふたをしないでください。子どもたちの心にもふたをさせないで下さい
子どもたちの声に耳を傾けてあげて下さい 
そして大人のあなたもそばにいる誰かと話をして下さい
お話できる方が見つからないときはどうぞほっとふるへ
お電話でも構いません 
生きているご自分をどうか大切に

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通信に書かれているメッセージです

こんな状況が来るなんて誰が思ったでしょう。

本当に私たちに何ができるのか問われている気がしました。

伊藤さん、本当にお世話になりました。ありがとうございました。

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