〜災害レポート〜3月15日
コラム執筆者

NPO法人マザーシップ 代表
医療法人社団正裕会 理事長
井上レディスクリニック  院長
リボーンレディスクリニック 理事長

井上 裕子(いのうえ ゆうこ)

マミサミの皆様こんばんわ、当直の夜です。
地震から4日目。新聞やテレビのニュースはとても悲しい場面ばかり。
つくづく 東京は軽い地震だったんだと思います。
あの地震の夜は、赤ちゃんが生まれたくなかったのか、電話が不通でしたが無事に夜明けでした。
昨日から急に決まった計画停電の対応に翻弄されています。
私の所はお産も帝王 切開もやってる産婦人科です。
いつ陣痛がくるか?急に手術になることも日常です。
110万人生まれる日本のお産の約半分は、病院でなく、私のような有床診療所で取り扱っています。
今回のように、いろんな時間帯に計画停電は困ります。
時間帯が前日の9時過ぎに決まります。スタッフの確保、停電の間、酸素や非常時電力には限界があります。
(大きな病院はサポートがあります)
非常電力をまわすには軽油がいるのに、ガソリンスタンドは行列。
4月まで毎日確保はとても無理…まして毎日異なる時間帯に停電では、外来診療もオペも予測 がつかず、非常勤の産科医は交通手段の遅れで不安定。トホホ…
話題の映画「ジーンワルツ」のシーンのようにランプで手術の可能性もあり。
停電だと、会計コンピューターが作動しない、分娩監視装置・輸液ポンプが使えない。
昨日、国からのお達しにより。「酸素吸入・人工呼吸器が必要な患者さんをちゃんと準備するように…」前夜の8時に決まったのではとっても万全の準備は無理。
命令するような電話の腹が立ちます。でも、どんな状況も、東北の被災者のみなさんの苦悩を想像すれば、まだまだ頑張るのみです。
この夜もどこかの 避難所で生まれる命もあるのかも知れません。どうかご無事で。マミサミの皆 さんもどうかお気をつけて。

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