

NPO法人マザーシップ 代表
医療法人社団正裕会 理事長
井上レディスクリニック 院長
リボーンレディスクリニック 理事長
井上 裕子(いのうえ ゆうこ)
マミサミの皆様こんばんわ、当直の夜です。
地震から4日目。新聞やテレビのニュースはとても悲しい場面ばかり。
つくづく 東京は軽い地震だったんだと思います。
あの地震の夜は、赤ちゃんが生まれたくなかったのか、電話が不通でしたが無事に夜明けでした。
昨日から急に決まった計画停電の対応に翻弄されています。
私の所はお産も帝王 切開もやってる産婦人科です。
いつ陣痛がくるか?急に手術になることも日常です。
110万人生まれる日本のお産の約半分は、病院でなく、私のような有床診療所で取り扱っています。
今回のように、いろんな時間帯に計画停電は困ります。
時間帯が前日の9時過ぎに決まります。スタッフの確保、停電の間、酸素や非常時電力には限界があります。
(大きな病院はサポートがあります)
非常電力をまわすには軽油がいるのに、ガソリンスタンドは行列。
4月まで毎日確保はとても無理…まして毎日異なる時間帯に停電では、外来診療もオペも予測 がつかず、非常勤の産科医は交通手段の遅れで不安定。トホホ…
話題の映画「ジーンワルツ」のシーンのようにランプで手術の可能性もあり。
停電だと、会計コンピューターが作動しない、分娩監視装置・輸液ポンプが使えない。
昨日、国からのお達しにより。「酸素吸入・人工呼吸器が必要な患者さんをちゃんと準備するように…」前夜の8時に決まったのではとっても万全の準備は無理。
命令するような電話の腹が立ちます。でも、どんな状況も、東北の被災者のみなさんの苦悩を想像すれば、まだまだ頑張るのみです。
この夜もどこかの 避難所で生まれる命もあるのかも知れません。どうかご無事で。マミサミの皆 さんもどうかお気をつけて。